「FOOD.INC」と「食の終焉」2

2022年04月03日

「FOOD.INC」と「食の終焉」1の続きです。 


ここからは、筆者のコメントですが、第4章にある「ブドウ糖果糖液糖は、日本の加工食品にも、ありとあらゆる製品に入っています。本当にありとあらゆる製品です。大変安価なようです。


第10章の「ALF」については、全く知りませんでしたが、本書にはALFのイギリス人活動家の説明も紹介されています。彼は「私たちはできれば法の力で動物虐待を止めたいと思っていますが、それは叶いません。投資家や企業の大株主がこの国の政府を牛耳っているからです。彼らに手紙を書いて『こんなことはやめて下さい』と訴えても、何も変わりません」と言っている。


これを聞いて思い出したのが、国境なき医師団のフランス本部と日本支部の考え方の違いです。以前私は理事会の議事録作成ボランティアをしていましが、大阪のホームレス支援を継続するかしないかについて、フランス本部からの訪問者と日本支部理事との間で意見が全く異なりました。フランス本部からの訪問者は「国境なき医師団は政府・行政と戦うムーブメントである。よって、大阪行政が社会的排除に対する根本的対策を講じず、本ムーブメントを理解しない場合は、それに戦う姿勢をとるべきである」と主張。一方日本の理事や関係者は、「いや、今までわずかではあるが、行政とも協調する取組みが出来てきている。戦う姿勢を打ち出して、社会的排除の被害者であるホームレスの人々の支援も停止するのでは、今までの努力も無駄になる。ホームレスの人々も医療を受けられなくなることも避けるべきである」と主張。どこまでも平行線でした。


その後は、このボランティアから離れたため、結果がどうなったかは分かりませんが、ここで感じたのは、欧米の人々の戦う姿勢の強さでした。日本は出来るだけ物事を荒立てないようにするのと対照的です。
文化や歴史が異なると、考え方ややり方も大きく異なることを実感します。

さて、本書の醍醐味は(訳者解説より)、「各章で焦点を当てている食の各段階で、必ずと言っていいほど悪者と思しき存在が登場することだ。それは巨大な食糧商社であったり世界市場を支配する食品メーカーであったりメガ・スーパーマーケットでだったりお馴染みのファストフード・チェーンだったりする。(中略)


ところが、食の話はそう簡単ではないし、映画のようなわかりやすい勧善懲悪物語では終わらない。更に取材を進めるうちに、実はその悪者は単なる小悪にすぎず、彼らも実は現在のシステムの下ではそのように行動することを強いられているだけの、見方次第ではその悪者でさえ、自らがおかれた状況の中でもがき苦しむ哀れな存在であることが、次第に露わになってくる。そして、常にその悪者の上にはもう一段格上の悪者がいて、最初の無敵の巨悪に見えた悪者が、実はもう一段上の悪者によって操られているだけの、とても小さな存在であることが明らかになる。そして、困ったことに、そこから5段くらい上の段の、食システム全体の大奥に鎮座し、すべての問題の根本を作っている究極の悪者の顔を見たときに、ほとんどの読者は言葉を失うはすだ。その究極の極悪人は、なんと「xxx」なのだから。」
(「xxx」は本書を読んで解釈して頂きたい。ここを開示すると訳者にたぶん怒られてしまうような気がしますが。。いえ、ここまで書けば、お分かりになる方はお分かりになると思いますが。。) 

訳者の神保哲夫さんが語る動画があります。


20120313 神保哲生 「食の終焉 解説」 グローバル経済の闇


ぜひ一度ご視聴を!!

訳者の神保哲夫さんは、ビデオニュースというニュースサイトを運営されています。


大変興味深い情報を独自の視点から発信していらっしゃいます。



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